京都の夫婦コミュニケーションのプロが断捨離。驚きの結果が!
リモートワークで家にいる時間が増えている。すると、今まで視界に入ってるようで入ってなかった、家のなかのいろいろなところに目がいく。
あれも気になる、これも気になる・・・ひとつ気になりだすと、それはどんどん加速していく。
そして「断捨離」に火がつく人も、きっと多いだろう。「この際捨ててスッキリしよう!」って。
わりとこざっぱりと片づいているほうだと、友人にもいわれるわが家。それでも使わなくなったものは、意外とたんまりと眠っている。
コロナをきっかけにして時間ができた、というより「モノへの執着・過去からの卒業」という強い想いがあって今回はかなりの断捨離ならぬ、「全・断捨離」を始めた。
手初めに、息子たちの楽器(トランペット、アコギ、チューナー)から始まり、本を300冊ほど、それらが入っていた本棚、食器9割、食器が入っていた食器棚、パソコンデスク、一人用座椅子、30キロ用米びつ、キッチン小物、花瓶、タオル類、傘、CD、カラーボックス、靴、そのほか45リットル袋に10袋以上・・・
まだこれから処分するものは、娘の勉強机、整理棚2〜3つ、サイドデスク、ズボンプレッサー、など。
これらの大型ゴミは、地域の粗大ゴミ日が設定されており、その日に合わせて回収してもらうという計画。
ただ、この点数を見てもわかると思うが、家から出す作業は私一人では到底できない。なので、当然ながら夫に手伝ってもらわなければならない。
私はけっこうモノに対して執着が少なく「捨てられる人」。夫は逆に「捨てられない人」。まあ、夫婦はタイプが逆になるパターンが多いので、これも致し方ない。
「〇〇と〇〇とを粗大ゴミの日に出して、〇〇をここに置いて・・・」私は断捨離の行動計画をひとりごととも、話すとも、どちらとも言えないテンションで夫にトツトツと伝えながらサクサク動いてゆく。
私のうしろでブツブツつぶやくのは、たしかに聞こえる。「これも捨てるの?」「これも?」「こんな捨てるんやったら買わんかったらいいのに」・・・
はいはい、そういわれるのはもう慣れてますよ。
そんな夫のひとりごとを聞き流しながら、私はどんどん捨ててゆく。
そんな先日の週末、ちょっとした”異変”が起きた。
一時保管場所になっているわが家の裏庭に、私が出したはずのない雑多なガラクタが山になっているではないか!
え〜?あれはもしや〜???
「なんか、裏の倉庫チラッと見たら使わないモノ、けっこうあったし」と夫。
自分の持ち物が入っている引き出しや家具には「いっさい触るな!」と口やかましく、ほとんど「捨てられない人」の夫が自ら私にいわれることもなく、断捨離をやってのけていたとは!!
「いよいよ、”飛び火”したな」と、ほくそ笑む私。
「片づけてほしい」「脱いだ服は洗濯かごへ入れてほしい」「靴はそろえてほしい」夫に言いたいことは山ほどあるだろう。じゅうぶん、あなたの言いたいことはわかる。
あなたはあなたのルールがあり、夫には夫のルールがある。このルールには「良い・悪い」というジャッジが正直、できないと私は思っている。
それぞれ生きてきた歴史があるし、人それぞれ価値観は違うし、違って同然だから。
ただ、「こうした方が気分よく暮らせるよね」という前向きな想いはもちろん大事にしたいとは思う。
であるならば、だ。
「こうしてほしい」という願いがあるなら、まずあなたが率先して態度を見せ、行動をし、一生懸命に、ひたむきにやって見せることだ。
何をいわれても、だ。
その後ろ姿を見続けることで、少しずつ、雪解けするかのように人は変化してゆくはずだ。
夫がみずから断捨離し始めてくれたのは、ほんの数日前だ。
私たちは結婚して今月末でちょうど30年になるが、そんな時間がたって、やっと最近こんな感じ。かなりの長期戦かもしれない。
それでも、「人は変わる」証明には、じゅうぶん値(あたい)すると思っている。
「ひたむきさ」は人を変えてくれる。あなたが背中を見せることで、きっと夫婦も変わっていける。